【学校行事】3年生人権教育講演会

 6月23日に3年生を対象に「就職差別」について、岡山県社会保険労務士会より講師の方を招き講演をしていただきました。まず、採用選考の際に「聞いてはいけない質問はどれか」を考えることで、「公平な採用」について確認しました。

 次に、「もっと人権に配慮した採用選考」というテーマで、「出身校の欄はあったほうがいいか?」「性別の欄はあったほうがいいか?」「写真を貼らないでもよいか?」の3つを考えました。生徒の考えとしては「出身校の欄・性別の欄・写真の欄は3つとも必要ないと思った。出身校が書いてあると、その学校のレベルが先入観として入ってしまって、その人自身の能力が正確に見られない可能性がある。性別の欄はLGBTの人が困ってしまう。写真があると見た目で判断してしまう。」「性別の欄の有無は、LGBTQの配慮としてはいいと思う。人は性別を書面上で判別できない。また、口頭で性別を聞くのも見た目で判断することになり、トランスジェンダーの方を傷つける可能性がある。性別の欄は任意欄として残しておいた方がいいかと思う。」とたくさん考えてくれました。

 次に、「差別はどうしておこるのか?」について考えてみました。就職差別は「採用する側はいい人を採りたいと思う」→「いい人と良くない人を区別する」→「良くない人を見つけるような質問をする」という経緯で生まれてくるものです。この「いい人と良くない人」という二元論的思考が差別を生むことに気づかされました。みんなそれぞれにいいところがあります。そのことを踏まえて、今度は採用する側に立ち、その人のいいところを引き出すためには、どのような質問をするのがよいかを考えました。生徒が考えてくれた、その人のいいところを引き出すための質問項目は、一覧にして配布する予定です。是非就職や進学試験の参考にしてくれたらと思います。

  講演後の生徒の振り返りでは、「みんな違ってみんないい、という言葉があるように、いろいろな人がいるからこその人生なのに、それを阻害するようなことがあっては絶対にいけないと思いました。」「面接の時はいい人と思ってもらえるような事を並べるのではなく、自分というものを前面に出し、自分には適正や能力があると思ってもらえるように頑張らなければならないと思った。」「出身地や家族の有無などの表面上の情報だけで、その人のことを良い人だ、悪い人だと決めるのは絶対に間違っている」など、生徒それぞれに講演を聴いて、何が分かるようになったのかを考えてくれていました。振り返りの中で、「就職差別」という言葉やその存在があることを知らない生徒もたくさんいました。これは、「公平な採用選考」に取り組んだ先人達の努力の結果だと思います。就職差別はなくなりつつあるかもしれませんが、なくなるよう多くの人が努力してきたこと、そして、差別をなくす努力をし続けることが大切だと伝えていきたいと思います。