障がい者サーフィン(パラサーフィン)の世界で活躍されている藤原智貴さんを招き「共生社会の実現に向けて私たちにできることは」という演題で講演会を実施しました。講師の藤原さんは2週間ほど前に実施された第2回全日本パラサーフィン選手権で優勝し、次は世界選手権に向けて頑張っている方になります。(RSKニュース パラサーフィン・藤原智貴選手(岡山県出身)世界選手権まであと1か月 初のチャンピオンを目指す~相棒は介助犬「ダイキチ」https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rsk/1447913?display=1)
講演の中で以下のメッセージがありました。
●すべての店が介助犬を受け入れてくれ、「補助犬同伴受け入れステッカー」がなくなるような社会が望ましい。
●街で補助犬にあったら、あたたかく見守ってください。(ユーザーが困っているときは)「何かお手伝いしましょうか」と声をかけることも大切です。
●障がい者に対して「声をかけないほうがいいのか?」「そっとしておいたほうが良いのか?」と思っちゃうんだけどそうじゃない。車椅子ユーザーなど障がい者の方は困っていることはたくさんある。もしかしたら表情に出さないだけであなたの友人も困っていることがたくさんあるかもしれない。躊躇せず、自分が「声かけたほうがいいかも」と思ったら迷わず声をかけましょう!
講演では次のような困っていることを紹介してもらいました。
●車いすユーザーは多目的トイレがどこにあるか気にして生活している。多目的トイレがあるかどうか分からない場合水分をとらないこともある。また、多目的トイレのおむつ替えシートが降りたままになっている。
●車椅子ユーザーはエレベーターしか使えない。並んで待っているが先に乗っちゃう、先に降りちゃう人がいる。日本人は譲ろうとするがその一歩が出ない。勇気が出ない。最初の一人になれない。
●車椅子専用の駐車場が車いすではない方に使われている。そんなときは空くまで待つしかない。
●心のバリアフリー(日本と海外の一番の違い)が大切。海外の人は車椅子のために「降ります!」と行動できる。
これらを踏まえて生徒たちは「車いすの方が困っていることを考え解決しよう!」というテーマで話し合いをしました。
生徒の振り返りを通して、「共生社会の一員として何が私たちにはできるか」についてよく考えてくれたことが分かります。以下生徒の感想を紹介します。
●今すぐに設備を揃えたり開発するのは難しいので、店員さんや周囲の人が手伝いなどをし易い環境作りが大切だと思った。また各々の意識の持ちようをより良くしていくべきだと思った。
●自分から積極的に動いたり、声をあげる(誰かが動けば芋づる式に一緒に動いてくれる人がいるかも知れない)。また、普段から車椅子利用者がいることを意識して、自分は階段やエスカレーターを使うようにする。
●工業高校の生徒としてこれからの日本をもっと理解のある日本にしていきたい。
●車椅子の方が過ごしやすい社会を考えることは、歩行器を使っている高齢者の方、ベビーカーを使う家族など多くの人々の悩みを解決するきっかけとなる。