【人権教育】3年生人権LHR

今回3年次を対象に、「働く上で起こりうる労働問題」という演題で、岡山労働局の労働基準監督官の方に講演をしていただきました。昨年からの新型コロナウィルス感染症の影響で労働問題に関する相談件数は過去最大となっています。利益が求められる会社において、しばしば不当な労働環境が出てくる時があります。そのような事態に自分達が陥ってしまったら、どのような対応をすればよいかを考えました。
まず、「最低賃金制度はどうしてあるのか」「有給休暇の取得がどうして原則義務化されるようになったのか」「仕事を辞めたいときや辞めさせてもらえないときはどうすればよいか」など、生徒同士で考えました。その後、何か困ったことがあれば、ひとりで抱え込まず、周りの人に相談することが大切であると学びました。各都道府県には労働基準監督署や総合労働相談コーナーなど、相談できる専門機関があります。また、一緒に働く同僚の助け合いが、「過労死」や「ハラスメント」など自分や仲間を不幸にしないために大切であると伝えました。

事前に生徒に質問したところ、「大卒の人と待遇に差があるか心配」「ミスをしてしまったらどうしようかと不安」という声がありました。そこで、「大卒と高卒の待遇差はない。正規社員と非正規社員にも待遇差はない。もしあればそれは法律違反である。」「ミスはあなたの責任ではなく、会社の責任。ミスをしても解雇されることはない。ミスが起こらないように分からないことは聞く。」など、法律を絡めて安心して仕事をすれば大丈夫と伝えました。

生徒の感想では、「労働者側の考えや行動にも企業の違反を助長する原因を与えてしまう可能性がある」「不安な気持ちもあるが、社会人になるという楽しみもある。(助けてくれる機関があるので)一生懸命仕事に励んでいきたい」「上司に言われたことがすべて正しいと思わず、人権を踏みにじられるようなパワハラがあれば誰かに相談する」「(労基違反を)周りがやっているからという理由で同調するのはよくない。自分で判断することが大切」と考えてくれました。
最後に3年生のみなさん、働くことは苦痛をともなうことではありません。働くことは元来、自分で考え自分で作ったものが社会に貢献する非常に崇高なことです。岡工で身につけた技術を大いに発揮して、助け合いの精神を持った社会人としてこれからも頑張ってください。