【人権教育】ユニバーサルデザインという考え方

 9月8日水曜日に、1年生対象の人権教育LHRは、「ユニバーサルデザインという考え方」という演題で、本校デザイン科の山形先生に講演をしていただきました。 この講演で学んだことを活かすために、「片手で空けるペットボトルのデザインを考えよう」という課題を出しました。今回生徒たちが考えてくれたデザイン画の紹介とともに、生徒が考えたデザインを実際に作ってみました。
①「水筒のキャップ式アイデア」を考えてくれた生徒がいました。すでに繰り返し使用できるキャップが100円ショップで売られていました。②ボトルを固定するアイデアや、③ハンドルや大型キャップを取り付けるアイデアなどたくさんのアイデアを考えてくれました。 ④キャップに突起をつけるアイデアでは、既存のキャップに突起をつけて指で回しやすくするというアイデアがありました。⑤歯で開けるアイデアもあり、歯で掴みやすい(噛みやすい)ように突起をキャップの先端に付けてみました。この2つのアイデアを3DCGで形にして、片手で開けやすいかどうか実物で検証してみました。突起を塩ビ板で作り、キャップに装着しましたが、これでは強度がありませんでした。次に、シリコンゴムで型どりし、樹脂の一体成形にしました。シリコン型にポリウレタン樹脂を注入し、複数量産しました。実際のキャップとは材質が異なりますが、ボトルに取り付けることはできます。水を入れたペットボトルに取り付け、従来のキャップと突起付きのキャップを比べてみました。すると突起付きのキャップはあまり力を入れなくても開けることができました!また、親指で回すことを想定していましたが、実際は人差し指も使ってキャップを回すことも分かりました。親指、人差し指以外の指と手のひらでボトルを固定するため、ボトルの形状も開けやすさに影響してくることが分かりました。実際に作ってみて初めて分かることがたくさんありました。

 現在図書室前廊下に、普通のペットボトルキャップ、100円ショップで売っているワンプッシュ型ペットボトルキャップ、生徒のアイデアをもとに考えた片手で開けるペットボトルキャップの3種類を用意しています。生徒には、実際にこの3つを片手で開けてみて、どれが開けやすいか、検証してもらっています。「もっと突起を大きくしたほうがいい」「ペットボトルの形も変えた方がいい」など考えながら挑戦している生徒がいました。この人権教育LHRで学んだことや、岡工で培った「ものづくり」の力が、実際の社会で力を発揮してほしいと思います。